ハンドメイド家具専門店 月家具 TSUKIKAGU



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月家具
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 2024.8.19
弊社15周年に依りて。





起業するまでの私の人生における数年は
絶望と、悲しみのみであった。
大学を目指していた当時の私を待っていたのは、
重度のアレルギー性皮膚炎という病気で、
はじめは手足の関節裏に発生した”ただれ”
そして猛烈な痒み耐えかねて掻きむしることによる
出血に至り、その症状は全身を侵略するように広がった。
極度に乾燥した皮膚に保湿剤は無効で、
身体を動かすと皮膚に亀裂が走り激痛を伴う。
つまり動くことが困難になる。
水や熱湯に当たると耐え難い激痛となるのは言うまでもなく
よって入浴が恐怖となり、無視するようになる。
そうして清潔な自分を喪失し
より一層、私は内なる自分の世界へと籠もるようになる。
寝ている間に無意識に身体を掻きむしるため、
ベッドシーツは瞬く間に血だらけとなったし
症状は顔全体にも広がっていたため、
その醜さは家族すら絶句するほどであった。
務めていた会社の人間関係からも逃げるようになっていた。
誰とも会わず、ひたすらに仕事以外の時間は
血の匂いがする自宅に引き籠もり日々を逃避した。

ある日、フランツ・カフカの「変身」という名著を読む。
主人公がある日突然、毒を持つ巨大な毛虫になってしまい
家族や社会から忌避され、やがて居場所を失い、
最後には自らを疎んだ両親から命を奪われる。
という主題のドイツ古典文学である。
私は思った。

「この虫は自分だ。
 虫である自分にはどこにも居場所はないのだ」

と。
大学は諦め、社会人としての自分ももはや風前の灯であった。
余談だが、金髪が基本となっているとある劇団の
娘役が同じ症状で在団中、
毛染めのたびに頭皮がただれて苦しくて悲しくて毎晩泣いた。
と語っていたのを観て、その方が私と生まれた日が
10日程しか変わらなかったこともあってか
その苦悩が不思議なほど
自分自身のもののように愛着を感じた。

そんな折、転機が訪れる。
母がネットオークションでウッドシェルフを購入したのだ。
私はそれを見て、いくらで買ったかを聞いた。
そして答える母のその価格を聞いて、
私ならもっと良いものを安く作れる。と思い立った。

藁にも縋る思いで私は簡易的な木材を購入し
数種類制作し、出品した。

結論から言えば商品は売れた。
ただ安かったためである。
しかし、私はこの小さな成果にすがった。
もうこの世のどこにも居場所がない私に
残された最後の手段が
「家具を作る」ということであった。
社会のために、とか、
お客様の笑顔のために、とか、
そういった考えはなかった。
ただ私は

醜い自分を美しいものであるかのように装いたかった。
愚かな自分が、賢明であるかのように装いたかった。
無力な自分を、力強い存在であるかのように装いたかった。

ただそれだけの身勝手があったのみである。

幸いなことに病気は後に発症の原因の判明と新薬により
「もうここまで万全なら再発は無いだろう。完治だ。」
と医師に診断された。
今は公式の場で万が一に備えて食事制限をするのみである
(今でも乳製品を食べるとたまに体調不良になる)

後に東日本大震災が発生し、当時取引中のお客様に
お見舞いの文章と共に
「キャンセルを希望されるならお受けする。」
というメッセージお送りしたところ
(当時は購入者からのキャンセル依頼は無効だったため)
とある被災者から

「お気遣い感謝します。お言葉に甘え、
 キャンセルさせてください。
 私の家族は阪神大震災の被害を受け自宅が全壊し、
 東北に逃れてきた。
 そしてまた同じように住む場所を失ってしまった。
 無念でなりません」

というメッセージを寄せて頂いた。
私の精神に、たとえ偽善と言われようと、
「仕事は人の為や世のために成すものでなければならない」
という感情が萌芽したのはこの頃である。

その方は数年後
「時間がかかりましたが、元の生活に戻りました!」
という報告と共にあの時キャンセルなさった
商品を再びご注文頂いた。
私はその方が生活再建を果たしたという事実に驚喜し
その大いなる努力を労う想いから、
商品を無償で進呈した。

その後も、様々な方と様々な出来事があった。
今も尚、愚かで無力で不完全な私ではあるが
結局私が言いたいのは

「病気や天災などの様々な苦難の中で、
 はじめは不完全で無力なものであっても、
 諦めずに続けていると、いずれ価値と呼べるものになる」

ということである。
今、この瞬間に悩み苦しむ人や、
これから多くのものに立ち向かう若い方々に、
15年の歳月の変遷から得た
私なりの稚拙な認識をここに被歴し、
一人でも多くの方への一助となれば幸いである。



ハンドメイドショップ 月家具  代表 山東誠